今回は中山七里さんの「有罪、とＡＩは告げた」をご紹介します。
この小説は、AIが裁判官の仕事を代替する時代を舞台に、AIが下した衝撃的な判決がもたらす波紋を描いています。
「AIは、罪を数値化できるのか？」
AIが裁判官の仕事を代替する時代が到来しつつある、そんな近未来が舞台である。
AIは、過去の膨大なデータを基に、論理的な判断を下す。
しかし、人間の感情や経験が不可欠な裁判で、AIの判断は果たして正しいのか？
円（まどか）は、AIの判断に疑問を抱き、事件の真相を追っていく。
その過程で、彼女は思いもよらない事実と対峙することになる。
AI裁判官「法神2」
中国から提供された最先端のAI「法神2」は、裁判官の仕事を劇的に効率化した。
過去の判例を学習し、瞬時に判決を下す。
その精度の高さに、周囲の裁判官たちは驚きを隠せない。
しかし、円はAIの判断にどこか違和感を覚える。
18歳の少年の殺人事件
円は、18歳の少年が父親を殺害した事件を担当することになる。
年齢や犯行状況から、複雑な背景が考えられる事件だ。
裁判長は、公判前に「法神2」にシミュレーションを行うことを決める。
そして、「法神2」が出した結果は、誰もが予想だにしなかった「死刑」という判決だった。
AIが導き出す、衝撃の真実
AIが下した「死刑」という判決は、裁判官たちの間で大きな議論を巻き起こす。
AIは、人間の感情や倫理観を理解できるのか？
果たして、AIが下した判決は、正義と言えるのか？
円は、この事件を通して、AIと人間の共存、そして「正義」とは何かという根源的な問いと向き合っていく。
あなたはどう考える？
この小説は、単なる法廷ミステリーにとどまらない。AIが私たちの社会に深く入り込むことで、何が変わるのか、そして私たちは何をすべきなのかを問いかける。
AIが下した判決は、果たして正しいのか？
是非この物語を読みながら、自分自身の答えを見つけてほしい。
感想
この小説はAIと人間の共存という、私たちがこれから直面するであろう問題を深く考えさせられる作品でした。
AIの便利さを享受する一方で、AIがもたらす可能性のあるリスクについても、この小説は私たちに警鐘を鳴らしているように感じます。
AIの進歩は日進月歩ですが、果たして、人間の判断をAIに委ねるのは正しいことなのでしょうか。
この小説を読んでいる間、ずっとそんな疑問を抱きながらページをめくっていました。
そして、この小説の結末は、私にとって一つの答えを示してくれたように思います。
