ミステリー小説が大好きな私が昨夜手に取ったのが、中山七里さんの『人面瘡探偵』でした。
私は主に海外ミステリーを愛好していますが、中山さんの作品は、ヒポクラテスシリーズをはじめ、その独創的な世界観と予想外の展開にいつも心を掴まれます。
今回はすぐに主人公の三津木六兵と人面瘡のジンさんという、一癖も二癖もあるキャラクターたちに惹きこまれました。
私はまず、人面瘡と会話するという設定に驚愕しました。
これはSFなのか、それとも深層心理を扱った作品なのか……。
そんな風に考えながら読み進めるうちに、現実と非現実が曖昧に交錯する、不思議な世界観に引き込まれていきました。
特に、三津木六兵と人面瘡のジンさんの関係性が印象的でした。
ジンさんの存在は、単なるSF的な設定にとどまらず、三津木六兵の心の奥底にある孤独や葛藤を映し出しているように感じられました。
一方で、ジンさんの言葉には、時に鋭い洞察やユーモアが垣間見え、物語に深みを与えていました。
【あらすじ】
相続鑑定士の三津木六兵は、信州の山奥にある本城家に派遣されます。
しかし、そこには遺産相続をめぐる骨肉の争いが待ち受けており…。
【魅力的なポイント】
この作品の魅力は、人面瘡のジンさんの毒舌と、三津木のやりとりだと思います。
シャツをどのくらい開けさせるのか、肩のどのあたりにあるのか、冬はどうするのかとか本編とは全く関係がないであろうところを想像しながら読み進めていけるのもこの作品の魅力だと思います。
そもそも人面瘡ってなに?って私は最初本当にわからなかったでウィキペディアで確認しました。
人面瘡(じんめんそう)、人面疽(じんめんそ)は、妖怪・奇病の一種。体の一部などに付いた傷が化膿し、人の顔のようなものができ、話をしたり、物を食べたりするとされる架空の病気。薬あるいは毒を食べさせると療治するとされる。
また「相続鑑定士」という職業があるのも知りませんでした。
【おすすめポイント】
ミステリー好きはもちろん、ちょっと変わったものが好きな人にもおすすめです。
予想外の展開が連続するので、最後まで目が離せません。
また、登場人物たちの個性も豊かで、それぞれのキャラクターに感情移入しながら読むことができると思います。
【まとめ】
「人面瘡探偵」、は読んだ後にじわじわと余韻を感じる奇妙な感覚になった本でした!小説の世界観にどんどん引き込まれてあっという間に読了できます。ミステリー好きの方はもちろん、そうでない方もぜひ手に取って読んでみてください。
きっと、あなたもこの作品の世界に引き込まれと思います。